ある日、大きなパネルに貼った絵画(F100号:162x130cm)を、
社会福祉法人『ぽとふ館』の館長様が持ってご来店されました。
この絵画を施設階段の踊り場壁面に飾りたい、というご相談です。
2枚目 取付前のビフォー画像
『多機能型事業所ぽとふ館』はさいたま市岩槻区で障害者支援(生活介護、就労継続支援)活動をされている施設です。
この母体となっている『社会福祉法人ささの会』は、このぽとふ館以外にも支援施設、ホーム、支援センター、事業所を
岩槻区で展開しているとの事です。
先ずはこの絵画の額装方法をどの様にするかを検討しました。
・本格的油絵額にて額装?
・5面体アクリルケースにて額装?
・仮額(アクリル付)にて額装?
色々な角度から検討をした結果、この中では一番軽くなりそうな仮額になりました。
額の色は黒すぎない宗達色に決め、これが作品の色調と調和しつつ優しい『縁どり』となり、
作品の寓話的で、幻想的で、奥深さをより一層引き立てる効果があります。
先に紹介したように、踊場の高い壁面に取り付けます。
また大きなサイズの絵画ですので、しっかりとした足場を組み、取付準備を進めました。
足場の上では、先ず取り付ける位置を計算しながら決めていきます。
そしてフック金具(コンクリート用)を取り付ける下穴を開けます。
次にその穴にコンクリ用の頑丈なフックを取り付けます。
このフックは地震で額の紐が飛び出ないためのストッパー付きで、額専用の優れたフックです。
そして数時間後にこのように取付作業が仕上がり、大きな額が飾られました。
取付アフター画像
2枚目のビフォー画像の、壁面に絵画が収まる前の状態と比べてみてください。
この絵画自体の素晴らしさがまず第一番ですが、
絵画があると、この空間自体がグッと引き締まりますね。
取付後に施設の皆さん、絵画を見て「すご~い!」「(今までと)全然違~✧」
と驚き、見入っていました。
今までは、単に通るだけの階段が、鑑賞の場に見事に変身です!
『ぽとふ館』の名の由来は「スープの「ポトフ」に色々な具材が入っているように、様々な個性が集まる温かい事業所にしたい」
という思いから付けたそうです。
ぽとふ館の運営方針は
・一人ひとりの個性や思いを尊重する。
・素朴だけど当たり前の生活を大切にする。
・一人ひとりの可能性を拡げ、それぞれの夢や目標の実現を目指す。
・地域に根差した事業所を目指し、地域に必要なサービスを創造する。
だそうですが、
その方針通りに運営されていることは、館の入居者の多くの方が、作業途中の私たちに
温かい言葉を多く掛けてくれたことからも、よ~く分かります。
コロナ前は施設の入所者の方たちと様々な場所に行き(遠足)し、
その様子などを『となりのぽとふ』という壁新聞にまとめていたそうです。
少し読ませて頂きましたが、入所者の方たちおよび施設の明るさ、温かさが伝わってきました。
絵画の下には入所者の方たちの書道作品が飾られています。
自由で屈託のない微笑ましい文言に、思わずくすり。
個人的には、右上1番目の『コロナのバカ』と
右下2番目の『おれは阿部さん~』が好きですね~(笑)
ぽとふ館の皆さん、本当に有難うございました。