S様が、大切にこちらの「虎」作品をお持ちになりました。
ご実家にながく仕舞われていた作品だそうです。
作品に多少のシミや破れなどはありますが、大切に保管されていたことが分かります。
この作品を額に入れ飾りたいとのご希望です。
そこでまずは作品に洗いを入れて、シミ抜きや破れの補修を行ってから、裏打ちを致しました。
そしてこの絵に合うように、虎の茶系の緞子と、額は隅丸の黒の額縁で仕上げました。
しわもきれいに伸び、月にかかっている霞や、岩肌、その上に生える草もよりクッキリと蘇りました。
永い間「眠っていた」(潜んでいた)虎が、自由な野に放たれたかのようです。
そして地を躍動し、月夜へ咆哮(ほうこう)している声が聞こえてきそうですね。
立派に蘇った額装品をお渡しする際、S様も本当に喜んで頂きました。
そして後日、S様からご自宅に飾られたお作品の写真を頂きました。
以下がそのお写真です。
雌伏をしていた虎が、正にその雄姿をあるべき場所を得ております。
作者の方も、描かれた虎も、喜んでいることでしょう。