鎌倉時代の初期に供養や永い平和への祈願が盛んになり、
源頼朝の篤い観音信仰と共に、坂東三十三観音霊場が開設されたそうです。
札所は鎌倉を出発地に、関東7県(神奈川県・埼玉県・東京都・群馬県・栃木県・茨城県・千葉県)
各地に点在し、道程約1300kmの札所があるそうです。
坂東三十三観音は、西国三十三観音と秩父三十四観音と合わせて、日本百観音とされています。
その三十三カ所を巡り、お札を頂いてきたH様が納経軸を持ってご来店いただきました。
軸装のお時間は約二ヵ月ほど掛かり、大変良く仕上がりました。
それが、こちらです。
軸装をされることでさらに厳粛感が益し、観ているだけでもご利益があり、心落安らぐ心境になります。
軸先もこのお軸に相応しい、黄金色でその軸の風格に輝きを添えています。
H様、良いものを拝ませて頂き誠にありがとうございます。
ところで余談ですが、
西国三十三カ所、坂東三十三カ所、秩父三十四ケ所となぜ秩父だけ1ヶ所多いのか?
観音経で説く、観世音の三十三化身にもとずいて、三十三ヶ所となっているそうですが、
秩父は古くから秩父に入り修行を積んでいた熊野系修験者たちが、
「百観音参り」の方が、九十九より百の方が語呂も良く、
代参する修験者自身の実入りも増え、札所も参拝が増えることは良いこと。
また、地元の人たちも恩恵に与れるという事で、
誰からも文句がなく、そうなったという説もあるそうです。
つまり、一種の『三方よし』なのでしょうね。