壊れた額縁の対処方法についてご説明を致します。
(後半では、壊れる原因&安全対策についてご説明を致します。)
額縁が壊れるパターンとその対処方法
額縁が壊れるパターンをご説明致します。
①額の角割れや角開き
額の落下等により、額の角割れ角が開くことがあります。
基本的はお買い替えをお勧め致します。
というのも、額縁にはお作品やダストカバー、額そのものの重量が常にかかっています。破損によりその構造が崩れます。
例えたった1角の割れでも、他の3カ所に構造が崩れた圧力がじわりジワリと掛かっており、遅かれ早れ開いてくるでしょう。
つまり、重量に耐えられるような丈夫で安定した構造では無くなるので、一度破損してしまったものを外見上「元」のようにしても、負荷に耐えられる構造に戻すことは大変難しいのです。
但し、想い出の詰まった大切な額縁が壊れてしまった場合は、元の額縁を出来るだけ活かしての対処が良いでしょう。
この場合は、どうぞ弊社までお問合せください。
②額縁の一部が欠けてしまった
額の落下や経年劣化等により、額のデザインの一部が欠けることがあります。
こちらの対処方法は、欠けた部分をパテで成形して、色を補彩する方法があります。
(但し、額がアルミ金属の場合は難しいです。)
③額縁の色・塗装が剥がれた(経年劣化含め)
基本は補彩を施しますが、場合によってはパテで成形が必要な場合もあります。 但し、全く同じ色や質感が出来るかどうかは、その素材や状態によります。
修理のまとめ
多くの場合「額が壊れた」場合の対応として、「修理・修復」するよりも「新しい額の購入」の方が安くて速いです。
修理・修復は人の手間(と部材費)が掛かります。 修理・修復は一種のオーダーメイドになります。
それ故、その額縁に思い入れが無く、早く額装しなおしたい方は、新しい額縁を購入することをお勧めいたします。
但し、その品に想い出が詰まっているケースや、ご家族が大切にしていたの場合は、それは「物」ではなく、
「想い」と「記憶」がつまった「大切なものと大事な時間」です。
この場合は修理・修復を検討されて良いと思います。その場合は、当店までお問合せ下さい。
額が壊れる原因
額縁は額そのものの劣化もそうですが、紐の劣化、不適当な金具の使用、地震の揺れ等による落下で壊れる場合があります。
しかし額が落ちて壊れる多くの原因は、紐が切れることです。
そして紐が切れる理由の大半が、紐の劣化です。
劣化により、地震などの揺れが無くても、突然落ちることがあります。
紐の劣化原因が早まる要因が、額縁の掛け方にあると思います。 多くの方が額縁を金具で紐の1ヶ所で吊しています。
この場合、紐の1ヶ所に額の全ての重さが掛かっています。
その結果、同じ箇所に長年に渡り、負荷が掛り続けることにより、劣化が早まります。
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お勧めの安全対策
A.簡単な対応方法
額縁を2ヶ所で吊することです。これにより以下の効果があります。
- 紐にかかる重さが半分ずつに分散される。
- バランスが取りやすくなる。
- 紐への負荷が分散されるので、切れる確率が低くなる。
B.丈夫な紐に替える。
現在は米国NASAが開発した素材で作られた丈夫な『ケプラー紐』があります。
当店でもメーター単位で販売をしております。C.年に数回の点検と結び直し
この方法はご自宅で簡単に出来ます。年に数回、額裏の紐を確認し結び直す事です。
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目視で紐の劣化を目視で確認します。(劣化していれば紐を交換してください)。
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紐を結び直すことで、負荷が掛かっている支点がずれ、紐の寿命が長くなります。
安全対策
その他の額が落下防止の対策をまとめます。
下記の点検・確認を行ってください。
- 吊り紐(劣化、ほつれ等)、吊り金具(サビや腐食がないか)、壁への取付け金具(安全荷重以上を掛けていないか等)、ダストカバー(ヒビや膨らみがないか)等をご確認いただけると良いと思います。
- 紐・金具それぞれに「安全耐荷重量」が定められています。それをご確認ください。
- 取付け金具には壁材質との相性があり、紐が跳んで外れないように(飛び出し防止)ロックの掛かるものもあります。
- 表面のダストカバーはアクリル製を安全面からお勧めいたします。 (ガラス製の場合、衝撃が加わると割れて破片が飛び散る可能性があり、人体はもちろん作品にも傷がつく恐れがあります。)
以上を額縁が壊れた場合の対応策と、それ以前の安全対策・防止対策を簡単に述べました。
これらをご参考に額を安全に飾られてください。